※ 今回は、2021年4月に中学3年生になった方が受ける高校入試のお話です。
2021年度(令和3年度)の情報をもとに考察してますが、各校の情報に関して大きな変更がない限り、2022年度(令和4年度)にも同様の考えが役に立つと思います。
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義務教育は、中学校までです。
どこの高校にも合格しなければ、高校に進学することが出来ません。
「どこの高校にも合格できなかったらどうしよう…」 と不安になる方もいらっしゃるかと思います。
また、都立高校は、一校しか受験できません。
都立高校を第一志望とする場合、仮に合格しなかった場合に備えて、併願の私立高校に合格しておくことは極めて重要です。
加えて、私立高校の入試日(2月10日〜12日)は、都立高校の入試日(2月20~25日)よりも先に来るので、私立高校の併願優遇に合格しておくことによって、安心して都立高校の第一志望受験へ望めます。
私立併願校の選び方は、部活動、制服、大学指定校推薦枠の有無、過去問との相性…など、色々あります。
今回は、
「都立町田高校を第一志望としていて、大学進学を目指している(男女)」
向けの私立併願校を比較していきます。
都立町田高校第一志望向けの私立併願校(併願優遇・合格確約式)まとめ
※今回は、都立町田高校へ進学する生徒さんが受験する一般的なコースへ出願する場合のみを取り上げています。
その他の上位コースが用意されている学校もあるので、成績や模試の結果を加味した上で、学校の先生や、塾の先生と相談してください。
※上記の内申点は、2021年度の募集要項を参考にしています。
タイプ❶:通学時間重視!なるべく町田駅から近い高校に行きたい!
- 内申点が5科目22程度: 通学時間は町田からバスで20分、旧帝大進学者も出すなど進学実績も高い桜美林高等学校
- 内申点が5科目20程度: 通学時間が町田から電車で20分の麻布大学附属高等学校
タイプ❷:進学実績重視!なるべく進学率の高い高校に行きたい!
- 内申点が5科目22程度: 通学時間は町田から40分程度かかるが、旧帝大+国立大+早慶上智GMARCH進学実績が約8割の桐蔭学園高等学校
- 内申点が5科目20程度: 通学時間は町田から50分程度かかるが、国立大+早慶上智GMARCH進学者を約5割も出している八王子学園高等学校
タイプ❸:内申点が5科目20以下だが、どうしても併願優遇で進学先を抑えたい!
- 通学時間は町田から1時間程度かかるが、旧帝大進学者も出している杉並学院高等学校
今回の私立併願校の条件
❶「都立高校入試に集中したい!」→併願優遇制度を採用している
併願優遇とは、「第一志望の高校に落ちたら、必ず入学します」と約束することにより、事前に合格を約束してもらったり、入試の点数に上乗せをしてもらう方式です。
都立町田高校を第一志望とする生徒さんは、
- 早稲田実業高等学校
- 國學院高等学校
- 桐光学園高等学校
- 日本大学第三高等学校
などを受けることもありますが、これらの高校は「併願優遇」を採用しておらず、オープン入試(学力検査)のみとなります。
オープン入試の私立高校に合格するためには、各校の試験に向けた勉強をしっかりとする必要があります。
都立町田高校の入試対策に1分1秒でも多くの時間を使いたいこの時期。
「併願優遇制度」をうまく活用すれば、内申点だけで滑り止めの私立高校を、都立の入試前に決めておくことができます。
そこで今回は「併願優遇制度を採用している私立高校」を比較していきます。
❷「通うことになったら、近い方がいい!」→町田駅から電車・バスで1時間以内
仮に都立町田高校に不合格だった場合、入学する可能性もあります。
そのことを考えると、通学時間も重要な要素になっていきます。
週6日通学し、高校生活で重要な部活動や、大学入試に備えた塾などとのバランスを考えると、町田駅から電車やバスで1時間以内の学校を目指すのが無難であると考えます。
都立町田高校を第一志望とする生徒さんは、
- 法政大学高等学校(町田駅から1時間10分)
- 明治学院高等学校(町田駅から1時間5分)
- 東京電機大学高等学校(町田駅から1時間10分)
などを受ける場合もあります。
しかし、どの高校も町田駅からの通学時間が1時間を超えるため、今回の記事では取り扱っていません。
❸「将来的に行きたい大学に進学したい!」→国立大学への進学実績あり
都立町田高校を第一志望とする生徒さんであれば、おそらく将来的には国立大学や難関私立大学(早慶上智GMARCH)の進学を目指していると思われます。
都立町田高校を第一志望としている生徒さんは、併願優遇制度を導入している
- 日本大学鶴ヶ丘高等学校(日本大学付属)
- 東海大学付属相模高等学校(東海大学付属)
なども受験することもありますが、上記の高校は附属大学への進学が主になっております。
「せっかく高校受験で頑張ったのだから、大学受験でも頑張りたい」という生徒さんも多いと思います。
そのため、今回の記事では、上記の高校は取り扱っておりません。
併願候補校
東京都には429校、神奈川には235校もの高校があります。
全てを取り上げるのは難しいのですが、上記の3つの観点やこれまでの傾向から考えた、都立町田高校を受験するレベルの生徒さんに最適な私立併願校として挙げられるのは、以下の高校です。
- 桜美林高等学校
- 麻布大学附属高等学校
- 八王子学園 八王子高等学校
- 杉並学院高等学校
- 駒澤大学高等学校
- 東京農業大学第一高等学校
- 帝京大学高等学校
- 桐蔭学園高等学校
- 中央大学附属横浜高等学校
- 日本大学櫻丘高等学校
これらの高校を比較し、受験生自身の希望や内申点に合った高校を選んでいきます。
❶ 併願優遇は、合格確約式か?加点式か?
「併願優遇」は、大きく「合格確約式」と「加点式」の2パターンに分かれます。
-
合格確約式 :高校の求めている内申点などの基準を満たせば、学力検査を受けなくても(または学力検査は受けるが、そこまでの点数が取れなくても)ほぼ事前に合格が確約される →大きな問題がなければ、ほぼ確実に滑り止めとして合格できる
-
加点式 :高校の求めている内申点などの基準を満たせば、学力検査の点数に一定点数の加点がされる→学力検査の結果によっては、不合格になる可能性がある
加点式の高校は、不合格になる可能性もあることから、各校の入試対策をしっかりをする必要があります。
しかし、都立町田高校の入試対策に集中したいですよね。
そのためにも、合格確約式の学校を受験して、早い段階で私立の滑り止め校を確定してしまうのが好ましいと考えます。
そこで、併願候補校の「併願優遇制度」を比較してみました。
【都立町田高校の私立併願候補校:併願優遇=合格確約式?加点式?】
(2021年度の入試募集要項を参考)
東京農業大学第一高等学校、帝京大学高等学校は加点式です。
学力検査にて点数が低かった場合には、不合格になる可能性があります。
そのため、各校の学力検査のための対策をする必要が出てきます。
都立町田高校への入試対策を最優先にすることを考えてみましょう。
受験生自身の心の余裕や、都立町田高校入試対策のための時間の余裕のためにも、事前に合格が確約される合格確約式を採用している高校を選びたいところです。
❷ 町田駅からの通学時間(電車・バス利用)はどれくらいか?
万が一都立町田高校に不合格だった場合、3年間通い続けることになります。
そう考えると、町田駅からの通学時間や家からのアクセスも考える必要があります。
もちろん私立高校に特有の魅力があれば、通学時間など気にすることもないです。
しかし都立町田高校が第一志望であり、かつ大学受験に向けて予備校や塾に通うことを考えると、通学時間はなるべく短いに越したことはありません。
以下の表に、各校の登校時間に間に合うために町田駅を出発する時間とその通学時間をまとめてみました。
【都立町田高校の私立併願候補校(合格確約式のみ)町田駅からの出発時間と通学時間】
(参考:Google Map)
杉並学院高等学校や駒澤大学高等学校は、町田駅からの通学時間が1時間以内ではあります。
しかし、50分以上かかることを考えると、進学率等も慎重に加味しながら、本当に入学したいか、しっかりと考える必要があるかと考えます(もちろん各校の魅力もありますので、十分検討する価値はあるかと考えます)。
❸ 進学実績はどのくらいか?ー旧帝大・国立大・早慶上智・GMARCHー
都立町田高校を第一志望とする受験生であれば、大学進学も視野に入っていると思います。
国立大学や難関私立大学(早慶上智・GMARCH)に進学したいと思っている方も中にはいらっしゃると思います。
高校の授業や進路指導の状況などを分析する上でも、国立大学の進学率、難関私立大学(早慶上智・GMARCH)への進学率は重要な情報であると言えるでしょう。
2020年度の進路実績(旧帝大、国立大、早慶上智、GMARCHの進学率)と、1学年の生徒数(2021年度の3年生の人数)の生徒数を元に、ざっくりと進学率を計算してみました。
【都立町田高校の私立併願候補校(合格確約式のみ):国立大学・早慶上智・GMARCHの進学率】
(2020年度の進路実績、「みんなの高校情報」を参考)
※見やすくするため、国立大進学率は5%、私立大学は30%を基準として、色付けをしています。
国立大学への進学率が比較的高い高校は、進学コースに力を入れている桐蔭学園高等学校や中央大学付属横浜高等学校です。
また桜美林高等学校や八王子学園高等学校も旧帝大に進学者を出しており、国立大学・私立大学共に進学率が比較的高いと言えます。
もちろん進学率だけが重要な情報ではありません。
しかし、将来的に旧帝大などを目指したい場合、実績がある高校の方が、進路指導などについては詳しい可能性があります。
❹ 出願したいけど…求められる内申点や基準をクリアできるか?
併願優遇では、内申点、欠席日数、遅刻日数、資格の有無などの高校によって異なる条件があります。
今回比較している高校では、内申点に関しては3科目・5科目・9科目のうちいずれかの条件、その他(遅刻・欠席など)については、全ての条件を満たす必要があります(駒澤大学高等学校だけは、3科・5科・9科の全ての条件を満たすことが求められます)。
例:桜美林高等学校の最上位コース(国公立進学コース)
5科目25もしくは9科目44以上
英語4以上、9科目に1・2なし
中学校3年間の欠席日数が20日以内であること
英検準2級を取得している場合は、5科目24、もしくは9科目43であっても受験可能
最上位コース(国公立進学コース、特進コースなど)を目指す場合、桜美林高等学校、桐蔭学園高校は5科目オール5など、求められている内申点の基準が極めて高いです。
その他のコースもあるので、どのコースへ出願するかは、成績や模試の結果を加味した上で、学校の先生や、塾の先生と相談してください。
杉並学院高等学校は、過去の受験生へのヒアリングをベースにした情報になりますが、他校よりは求められている内申点の基準が低いように感じます。
併願校選びは「本人の希望」×「実現可能性」
【都立町田高校の私立併願候補校(合格確約式のみ):
通学時間、進学率、内申点基準(一般コース進学)のまとめ】
※上記の内申点は、2021年度の募集要項を参考にしています。
よって、都立町田高校の私立併願志望校は、
- 「近い方がいい!」vs 「進学率が高い方がいい!」
- そもそも出願できるのか?(内申点)
に応じて、選んでいくのが最適かと思います。
都立町田高校を第一志望とする受験生向けの私立併願校(併願優遇・合格確約式)
※今回は、都立町田高校へ進学する生徒さんが受験する一般的なコースへ出願する場合のみを取り上げています。
その他の上位コースが用意されている学校もあるので、成績や模試の結果を加味した上で、学校の先生や、塾の先生と相談してください。
※上記の内申点は、2021年度の募集要項を参考にしています。
タイプ❶:通学時間重視!なるべく町田から近い高校に行きたい!
- 内申点が5科目22程度: 通学時間は町田からバスで20分、旧帝大進学者も出すなど進学実績も高い桜美林高等学校
- 内申点が5科目20程度: 通学時間が町田から電車で20分の麻布大学附属高等学校
タイプ❷:進学実績重視!なるべく進学率の高い高校に行きたい!
- 内申点が5科目22程度: 通学時間は町田から40分程度かかるが、旧帝大+国立大+早慶上智GMARCH進学実績が約8割の桐蔭学園高等学校
- 内申点が5科目20程度: 通学時間は町田から50分程度かかるが、国立大+早慶上智GMARCH進学者を約5割も出している八王子学園高等学校
タイプ❸:内申点が内申点が5科目20以下だが、どうしても併願優遇で進学先を抑えたい!
- 通学時間は町田から1時間程度かかるが、旧帝大進学者も出している杉並学院高等学校
自分の目で見に行き、総合的に判断し、納得できる私立併願校を選びましょう
今回の記事では、併願優遇制度、通学時間、進学率、内申点の基準などを加味し、都立町田高校を第一志望とした場合の私立の併願校の選び方について取り上げました。
しかし、東京都には429校、神奈川には235校もの高校があります。
3年間とはいえ、人生に一度のとても貴重な高校生活です。
通学時間や進学率のみならず、学校の雰囲気、キャンパス、施設の充実さ、部活動、最寄駅からの徒歩距離、制服の有無など、複数の観点から学校を見定める必要があります。
また今回記載した情報も、学校の方針や社会情勢の変化により年々変化しています。
上記の情報はあくまで参考として、必ず学校見学、説明会、文化祭などへ足を運び、保護者・生徒さん共に自分の目で情報を集め、中学校の先生や塾の先生方としっかり相談した上で、生徒さんご自身が納得出来る最適な私立併願校を選んでください。