高校受験が近づくにつれて、学費のことについて頭がいっぱいになってくるのではないでしょうか。
「私立高校って、やっぱり高いんじゃない?」
「でも塾に毎月通うぐらいなら、私立高校の方が安いんじゃない?」
「助成金とかもあるみたいだし、比較するのが難しい…」
考えても調べても、あまりよくわからないですよね。
今回はそんなお悩みを解決したく、都立高校と町田周辺の私立高校の総費用を比較してみました。
今回学費・費用を取り上げたのは、都立町田高校・都立狛江高校・都立成瀬高校レベルの生徒さんが受験しそうな町田市周辺の私立高校です。
- 桜美林高等学校
- 八王子学園高等学校
- 麻布大学付属高等学校
- 和光高等学校
- 桐蔭学園高等学校
- 杉並学院高等学校
- 日本大学明誠高等学校
- 八王子実践高等学校
- 駒場学園高等学校
- 相模女子大学高等学校
さらには、「私立高校授業料実質無償化」と言われている私立高校の助成金や、都立高校の助成金についても触れていきます。
また、高校受験のために塾に通った場合の費用も考慮して、どの選択肢が一番費用を抑えられるのかも考えていきますので、最後までどうぞご確認ください。
都立高校と町田周辺の私立高校の学費・費用比較
※上記の塾の費用は、コノ塾(月額26,400円)を前提に計算しています。
※制服代や修学旅行代、寄附金などは考慮しない前提とします。
※共働きなど一部の条件を満たせば、年収の上限が上がることもあります。
まとめ
- 都立高校は、年収910万円未満なら、かかる金額は入学金5,650円のみ(+制服代、修学旅行代など)
- 私立高校は、年収590万円未満なら、かかる金額は約130~200万円(+制服代、修学旅行代、寄附金など)
- 私立高校は、年収590万円未満なら、かかる金額は約210~260万円(+制服代、修学旅行代、寄附金など)
- 一番費用を抑えるなら、「塾3年間+行きたい都立高校」
都立高校の学費・費用は、3年間で36万円
都立高校の費用は、どの高校でも同じです。
- 入学金:5,650円(一回のみ)
- 授業料:年間11万8,800円(3年間で約36万円)
上記以外にも、教材費、学校によっては制服代、修学旅行費などがかかる場合があります。
よって上記に加えて、3年間でおおよそ15~30万円程度追加がかかると想定するのがよいと考えます。
参考:東京都教育委員会「都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について」
都立高校は、授業料は実質無料
世帯の年収が910万円未満(※)であれば、高校の授業料(年間11万8,800円)が国から支払われるため、実質授業料は無料になります。
つまり、ほとんどの家庭でかかる費用は、入学金の5,650円と、制服などの追加費用(15~30万円)だけということですね。
※所得制限額については、細かな審査基準があります。また、申請のための手続きをする必要があります。詳しいことは、市役所などでお尋ねください。
参考:東京都教育委員会「高等学校等就学支援金事業について」
私立高校の学費・費用は、3年間で250~300万円
今回は町田市近辺の、都立町田高校・都立狛江高校・都立成瀬高校レベルの生徒さんが受験しそうな私立高校の費用をまとめてみました。
町田市近辺の私立高校の費用(参考:2021年度の募集要項)
※1:上記の情報は、2021年度の募集要項などを参考にしています。
※2:寄附金など、上記に記載されていない費用が発生する場合もあります。
- 桜美林高等学校:約263万円( ※各種学力テスト、制服代含まず)
- 八王子学園高等学校:約295万円
- 麻布大学付属高等学校:約258万円( ※各種学力テスト、教材、修学旅行、制服代含まず)
- 和光高等学校:約228万円( ※各種学力テスト、教材、修学旅行、制服代含まず)
- 桐蔭学園高等学校:約269万円( ※各種学力テスト、教材、修学旅行、制服代含まず)
- 杉並学院高等学校:約265万円( ※各種学力テスト、制服代含まず)
- 日本大学明誠高等学校:約204万円( ※各種学力テスト、教材、修学旅行、制服代含まず)
- 八王子実践高等学校:約207万円( ※各種学力テスト、修学旅行代含まず)
- 駒場学園高等学校:約267万円( ※各種学力テスト、修学旅行代含まず)
- 相模女子大学高等学校:約264万円
上記の情報を参考にして、追加の費用(修学旅行費、寄附金など)を考慮すると、町田市周辺の私立高校の学費は、3年間でおおよそ250~300万円 であると言えるでしょう。
私立高校の助成金を使っても、実際には150万程度かかる
世帯の年収が590万円未満(※1)であれば、年間39万6,000円の支援を国から受けることができます。
つまり、年収が590万円未満であれば、3年間で約120万円の補助が受けられることになります。
しかし、私立高校は3年間で250~300万円かかることを考慮すると、結局3年間で130~170万円は自腹で払うことになります。
「高等学校等就学支援金制度」の助成金をもらった場合にかかる費用
(参考:文部科学省「高等学校等就学支援金制度」、東京都教育委員会「高等学校等就学支援金事業について」)
※共働きなど一部の条件を満たせば、年収の上限が上がることもあります。
また、世帯の年収が590万円以上だけれども、910万円未満(※2)であれば、私立高校に進学する場合でも都立高校同様、国から年間11万8,800円の支援を受けることが出来ます。
つまり、年収が590万円以上910万円未満であれば、上記の補助は受けられなくても、3年間で約36万円の補助が受けられることになります。
どの年収世帯にせよ、私立高校は150~250万円程度を自腹で支払う必要が出てきます。
※1:所得制限額については、細かな審査基準があります。共働きなど一部の条件を満たせば、年収の上限が上がることもあります。また、申請のための手続きをする必要があります。詳しいことは、市役所などでお尋ねください。
参考:文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
※2:所得制限額については、細かな審査基準があります。また、申請のための手続きをする必要があります。詳しいことは、市役所などでお尋ねください。
参考:東京都教育委員会「高等学校等就学支援金事業について」
「都立高校+塾」か、「私立高校+塾なし」か?
一番安く済むのは、「塾に行かずに、自力で都立高校に合格する」です。
しかし 都立高校は1校しか受験することが出来ず、大学のように浪人なども出来ません。
人生の大事な3年間を一度のチャンスに賭けることを考えると、適当なことはしたくないですよね。
内申点や学力検査(入試)などが考慮されることを考えると、塾に通わずに行きたい都立高校に合格することは、簡単なことではありません。
また、私立高校も入試があるので、塾に通わずに私立高校受験に臨むと、希望する私立高校に通えない可能性も十分にあります。
都立高校を目指すとしても、私立高校を目指すとしても、一度のチャンスに人生の大事な3年間を賭けると思うと、塾に通って万全の対策をした方が好ましいと思われます。
「都立高校+塾3年間」の方が、「私立高校+塾なし」よりも安く済む
仮に「年収590万円未満で、助成金を上限額までもらえる世帯」の場合、
- 塾に3年間通い、都立高校に合格した場合
- 塾に1年間通い、私立高校に合格した場合
- 塾に通わず、私立高校に合格した場合
にかかる費用を比較してみます。
「都立高校+塾3年間」「私立高校+塾1年間」「私立高校+塾なし」の比較(助成金の状況別)
※上記の塾の費用は、コノ塾(月額26,400円)を前提に計算しています。
※制服代や修学旅行代、寄附金などは考慮しない前提とします。
※共働きなど一部の条件を満たせば、年収の上限が上がることもあります。
塾に3年間通い、都立高校に合格した場合(年収910万円未満)
- 塾(中学3年間):約95万円
- 都立高校(3年間):5,650円(助成金 受領後)
- 総額(3年間):約95万円
塾に1年間通い、私立高校に合格した場合(年収590万円未満)
- 塾(中学1年間):約32万円
- 私立高校(3年間):約150万円(10校平均、助成金 受領後)
- 総額(3年間):約180万円
塾に通わず、私立高校に合格した場合(年収590万円未満)
- 私立高校(3年間):約150万円(10校平均、助成金 受領後)
- 総額(3年間):約150万円
※上記の塾の費用は、コノ塾(月額26,400円)を前提に計算しています。
※制服代や修学旅行代、寄附金などは考慮しない前提とします。
比較すると、塾に3年間通って、都立高校に合格した方が、私立高校に通う場合よりも55万円ほど節約できます。
塾に3年間通ったとしても安いと思うと、どれだけ都立高校がお得なのかがよくわかりますね。
費用を抑えるなら、「塾3年間+行きたい都立高校」
※上記の塾の費用は、コノ塾(月額26,400円)を前提に計算しています。
※制服代や修学旅行代、寄附金などは考慮しない前提とします。
※共働きなど一部の条件を満たせば、年収の上限が上がることもあります。
まとめ
- 都立高校は、年収910万円未満なら、かかる金額は入学金5,650円のみ(+制服代、修学旅行代など)
- 私立高校は、年収590万円未満なら、かかる金額は約130~200万円(+制服代、修学旅行代、寄附金など)
- 私立高校は、年収590万円未満なら、かかる金額は約210~260万円(+制服代、修学旅行代、寄附金など)
- 一番費用を抑えるなら、「塾3年間+行きたい都立高校」
お子様の希望も確認して、助成金も活用して、賢い高校選びを
今回は、都立高校と私立高校の費用を比較し、助成金や塾代なども考慮してみました。
もちろん金銭面もとても重要な観点ですが、私立高校にしかない魅力(内部進学、設備など)もあります。お金では買えない価値もありますので、「都立高校が一番」というわけには一筋縄には言えません。
また、金銭的に厳しいという場合でも、家庭の経済的状況などによっては、各自治体や団体によって給付されている支援金や助成金などもあります。
お子様にとって大事な3年間だからこそ、本人が一番行きたい高校に通えるように、できる限りのことを全てやってあげたいですよね。
そのためにも給付金の情報収集を行うなどの、早めの対策が大事です。