中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)都立入試への評価と対策を解説

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テストの概要

ESAT-Jは東京都が主催するスピーキングテストで、東京都の中学校に通う全生徒が受験します。令和元年度〜令和3年度に行われたプレテストを経て、令和4年度から本格的に導入され、都立高校入試ではテストの結果が得点に反映されます。

スピーキングテストといっても、直接英語で会話をするわけではなく、タブレット端末を使用して解答音声を録音する形式です。

試験日時

今年度の受験は、令和4年11月27日(日)に都立高校や⺠間施設などで実施されます。 また、結果発表は、令和5年1月中旬頃と発表されています。
(参照:東京都教育委員会「中学校英語スピーキングテスト ESAT-J」)

評価方法

ESAT-JでとったスコアはA〜Fのグレードとして判定されます。

令和4年度の詳細はまだ都の教育委員会からは発表されていませんが、令和3年度プレテストのスコアレポートによると、以下のように換算されていました。

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ESAT-Jのグレードは、都立入試ではAからFまでをそれぞれ0〜20点の点数として取り扱います。

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この換算方法が令和4年度に使われるとすると、「ESAT-Jのスコアが1点であれば、グレードはE評価となり、都立入試の換算としては4点」ということになります。※令和4年度 東京都教育委員会による発表を参照

都立入試への影響

東京都立入試の配点は以下の通りです。
学力試験700点 + 調査書300点 + ESAT-J20点 = 1020点

このことから、ESAT-JはA〜Fのグレードが1つ変わると1020点換算で4点の影響があります。
一方、調査書の得点を1020点に換算すると、内申点1つで、5科目(英数国理社)は約4.6点、実技科目(音美技保)は約9.2点なので、内申点の方が入試において大きな影響があると言えます。

もちろん最低限の対策はするべきですが、内申点に影響する最後の定期試験が令和4年度の11月14(月)〜11/25(金)の間で行われることを考えると、定期試験の方に注力した方がよいです。

ESAT-Jの問題と対策を徹底解説

どんな問題がでるの?

3年分のプレテストを見ると、大問が PartA〜PartDの4つ、小問が全部で8問あります。 詳しくは以下の通りです。

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(参照:東京都教育庁発表「令和4年度中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)のお知らせ)

これまで英語のスピーキング練習をしたことがないのですが、どうすればいいですか?

ESAT-Jはスピーキングテストとはいっても、なめらかに英語が話せる必要はありません。 過去3年間のプレテストから明確な傾向があるので、Partごとに傾向と対策を紹介します。

PartAの問題と対策

PartAは英文を声に出して読み上げる問題が2問出題されます。

PartAで評価されるのは「音声」、つまり発音やイントネーションが評価の対象となります。それだけを聞くと「発音とか苦手だし、点数とれなさそうだな」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。評価基準は厳しくないので、対策次第で点数がとれるようになります。

都の教育委員会より以下のような評価観点が発表されています。

2点の「○(2)」を見ると、

  • リズムや抑揚が、聞き手の理解の支障となることがある
  • 不自然なところに間や沈黙がある
  • 言いよどみがある

とあり、つっかえながら読んでも3点満点中2点がもらえます。

また、「◎(3)」を見ても、

  • 間をとることがある
  • 発話中の間は、概ね自然

とあり、少しであれば、言い直しがあっても3点満点をもらえます。

発音に関しても厳しい評価基準ではありません。
例えば、I play the piano on Monday. という英文を「音声」で評価すると、

  • ネイティブのような発音 → 求められていない
  • アイ プレイ ザ ピアノ オン マンデイと読んだ → 3点
  • アイ プレイ ザ ピアノ オン モンダイと読んだ → 2点
  • アイ プラザ ピノ オー モンダイと読んだ → 1点
  • アイの後読まなかった → 0点

となります。また、たとえ言いよどみや言い直しがあっても、2点はもらえます。
つまり、PartAは「たとえ完璧でなくても、大きな声で英文を読み上げる」ことで、点数をとることができます。逆に正しい発音・イントネーションにこだわって声が小さくなったり、考え込んで何も言わなかったりすると、点数を落とすことになります。

PartBの問題と対策

PartBは質問を聞いて、それに返答する問題が4問出題されます。

PartBで評価されるのは「コミュニケーションの達成度」、これは「自分の言いたいことが相手に伝わるかどうか」が評価の対象となります。PartBもPartAと同じく、評価基準は厳しくないので、対策次第で点数をとることが可能です。

都の教育委員会より発表されている評価観点は以下の通りです。

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(参照:東京都教育庁発表 中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)令和3年度 確認プレテスト② 採点基準)

問題の模範解答は難しいと感じるかもしれません。ただ、評価基準を見ると「問題趣旨に沿って解答できていれば、解答は単語・センテンスのどちらでもよい」と書いてありますので、単語だけを解答したとしても正解になる可能性が高いことが分かります。

PartBでの評価観点は「相手に言いたいことが伝わるか」なので文法的に正しくなくても、伝えたいことを単語で答えれば点数をとることができます。逆にPartAと同じく、 正しい発音・イントネーションにこだわって声が小さくなったり、考え込んで何も言わなかったりすると点数を落とすことになります。

PartC・PartDの問題と対策

PartCはイラストを見て、そのストーリーを英語で説明する問題が1問出題されます。また、PartDは英語で話される音声を聞いて、それに対して自分の意見を述べる問題が1問出題されます。PartCとPartDは問題の傾向として似ているので、一緒に説明をします。 具体的には以下のような問題が出題されます

PartCとPartDの問題は「音声」「コミュニケーションの達成度」「言語使用」と複数の観点で評価されるのが特徴です。
「音声」「コミュニケーションの達成度」の2つは、PartA・PartBと同じ評価の観点なので、ここでは「言語使用」について説明をします。

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(参照:東京都教育庁発表 中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)令和3年度 確認プレテスト② 採点基準)

4点満点中3点の「◎(3)」と4点の「◎◎(4)」を見ると、レベルが高いことを求めてられていますが、都が公開しているプレテストの結果を見てみると、3点と4点の生徒は全体の1%未満とあり、現実的には2点「○(2)」がとれれば、十分に他の受験生をリードできます。

4点満点中2点の「○(2)」を見ると、

  • 簡単な描写を羅列することができる
  • 文法の使い方に誤りが多い

とあります。「言語使用」もPartAの「音声」、PartBの「コミュニケーションの達成度」と同様に、細かい文法は気にしなくてもいいので、伝えたいことを声にだして言ってみることが大事だと言えます

ESAT-J についてご不安な方は

コノ塾ではESAT-Jの対策はもちろん、都立受験に必要な5教科の内申・定期考査対策、受験指導を行っております。

まずは話を聞きたい、相談したいという方も大歓迎です。
常時無料体験を実施しておりますので、お近くの教室までお問合せください!

監修者 中嶋広大

大手学習塾にて、最難関校受験コースの教室長、本部映像授業責任者を歴任。英語の動画教材においては、中学2年から3年まですべての制作を行うなど、塾業界での英語教育のエキスパート。また東京エリアの教務・進路責任者として、自校作成校を含む都立高校受験での進路指導・教材カリキュラムの取りまとめを行うなど、都立受験の経験も豊富。現在は、コノ塾にて英語教材の制作・開発の責任者として、ESAT-J対策含む英語指導のカリキュラムを担当。

個別指導コノ塾について

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コノ塾では都立高校を目指す個別指導塾です。5科目を月額26,400円の授業料で提供しており、毎年多くの実績と感謝の言葉を頂いております。

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