お子様が小学校3〜4年生あたりから、中学受験を見据えて塾に通う同級生の子がどんどんと増えています。高校・大学受験を考えると「うちの家では中学受験はしないと考えているけど、学習の差がどんどん開いてくるのかも」と心配になることがありますよね。
「中学受験もしないし学校の勉強もついていっているようだから、塾に通うのは早いかも」
「そもそも、小学生から塾が必要なの?」
小学生での塾については不明な点が多いと思います。今回は中学受験をしない小学生の塾選びについて解説します。
こんな方にオススメ
- 小学生向けの塾で通うべきか悩んでいる
- 小学生のうちから学習習慣をつけたい
- 地元の公立中学校に進学しようと考えている
- 中学進学後は、部活や勉強以外の時間も大切にしてほしい
- 中学卒業後には、高校受験・大学受験を考えている
中学受験しないご家庭向けの塾とは
小学生から通う塾としては中学受験を目的とした「進学型指導塾」「中学受験対策塾」が広く知られています。大手企業が運営し、ターミナル駅前にあることが一般的です。授業内容は中学受験で必要な応用問題や、志望する中学への受験問題対策がメインとなり、小学校で習う学習内容とは大きく異なります。
小学校での復習がメインとなり、学校の授業のできなかった箇所の復習や宿題のサポートを主とする塾を、一般的に「補習塾」といいます。補習塾では、個人で運営することが多く、学校の近くの住宅街で昔からある地域の塾であることが多いです。
結論として、中学受験とは異なり公立中学の進学を考えているご家庭の場合は、ご自宅から通いやすく、大きく変わる中学校生活に向けた学習習慣や基礎学習を中心に行う塾が中学受験をしないご家庭向けと言えます。
小学生で塾に通っている割合は約40%
文部科学省が実施した調査結果によると、公立小学校に通うご家庭の39.1%が学習塾に関して支出をしており、何かしらの学習塾に通われていると言えます。
また、私立小学校においては、75.1%のご家庭が学習塾に通われており、公立小学校と比べても非常に高い割合となっています。
ひと昔前はクラスに数名の中学受験をするご家庭しか通うイメージがなかった学習塾ですが、近年の小学校の英語必修化など、小学生からの学習内容が広がったことにより、将来のために学習を始めるご家庭が増えました。今後も小学生から塾に通う割合は増えていくと思われます。
参考:文部科学省 平成30年度子供の学習費調査
小学生での塾の費用は月に約1万円
先ほどの文部科学省の同様の調査によると、公立小学校のご家庭が学習塾への支出は年間13.6万円となっています。これは、毎月1.1万円を学習塾の費用として支出していることになります。この金額は平均額のため、地域の補習塾と比較し、中学受験のための進学塾では高額になることが多いです。
たとえば、講習費用なども加えると、月の費用が何十万の支出になるケースも存在します。
受験しないけど小学生に塾は必要?
結論としては、自宅での学習習慣(目安としては小学6年生では毎日60分程度)がついており、わからない箇所も家で親が直ぐにサポートできるのなら塾は必要ないと思います。
でも、これを毎日するのはとても大変ですよね。共働きが増え、家事もやる必要がある中では、子どもの横で勉強を毎日1時間見守ることは難しいです。
また、小学生にもなると親子で勉強をすると言い合いになったりして、勉強の指導どころではなくなってしまいます。
親としては、答えはわかるのですが、子どもが理解するためにどのように説明していいかわからない。そこで、ついつい「何でわからないの?」と言った言葉が出てきてしまい、言われたお子様としてはどんどん勉強が嫌いになってしまいます。
結果として、家の外で専門の人に任せようとすると、学習指導専門の塾が必要になります。
塾というと嫌々勉強するイメージがありますが、ゲームや遊び道具などの誘惑がある自宅ではなく、親以外の信頼できる大人から勉強を教えてもらえることで、勉強に前向きに取り組めるメリットがあります。
中学生になると小学生とは何が変わるの?
中学生になると、小学生の頃とは大きく変わる点がいくつもあります。学習面はもちろん、環境や生活にも!具体的に見ていきましょう。
1. テストが変わる!
公立中学校では定期テストの範囲が一気に広くなり、より反復学習の重要さが増してきます。小学校の際には100点近くとっていた確認テストも、中学校になると平均点が50点前後と得点の違いに驚かれることが多いです。
公立小学校のテスト
- ある単元の学習が終わるとすぐにテストが行われる
- どの単元のテストかわかっているので、解き方を思い出しやすい
- 範囲が狭いので、使うべき解法もさほど多くない
公立中学校のテスト
- テストは2〜4か月に1回
- 出題単元が複数にまたがり、範囲が広い
- 単元がまたがるテストでは、反復での訓練を意識的に行わなければテストの現場で解き方を思い出せない
2. 先生が変わる!
公立中学校では関わる先生の人数も増えてきます。先生との距離の違いから、わからないことを聞けないことが増えてきます。わからないことが少しづつ溜まっていき、定期テスト前に復習の負担が非常に大きくなってきます。
小学生の先生
- 原則、担任の先生がすべての科目を教えてくれる(音楽など例外はあります)
- 先生との距離が近く、困った時にはいつでも聞ける
- 「担任の先生のやり方」がつかめれば問題ないことが多い
中学生の先生
- 科目担任制で教わる先生が増える
- 科目ごとに指示が変わるので、先生ごとの指示を科目ごとに整理する必要がある
- そもそも先生との距離が遠い
- 例えば今日の宿題について聞きたい、その時に先生が側にいるとは限らない
3. 英語が変わる!
公立中学校では英語の内容が大きく変わります。今までは楽しく英語に親しむのが中心だった授業から、中学校ではライティングやリーディングが評価されるようになります。中学校では定期テストの範囲も広くなることから、しっかりと暗記と反復学習を行う必要が出てきます。
小学生の英語
- リスニング・スピーキングに重点を置かれている
- 文法知識を問う問題があったとしても選択肢から正解を選ぶような問題が中心である
- 楽しくお話・発表することが中心
中学生の英語
- リスニング・スピーキングは授業内で、定期試験ではライティング・リーディングもしっかりと出題される 問題パターンも、選択肢、適語補充、並び替え、英作文、とバリエーション多数
- 突然「この単語・表現は小学校でやったよね!」と飛ばされて授業が進んでいくことも
- ただし小学校の英語で「暗記し訓練し書けるようになっている」とは限らない
- 定期試験で点数を取るためには、暗記し訓練し解けるようにする勉強が必要
4. 生活が変わる
公立中学校ではお子さまの生活リズムも大きく変わります。部活動が始まり、体力・精神的にも疲れた中で、中学校の復習を毎日自宅で行うことは非常に大変です。また、自宅学習でも誘惑が多くなり、自分ひとりで机に向かうのが難しくなってきます。
- 部活が始まる。中学生では体格が大きく異なる3年生と同じ訓練・スポーツをする
- オンラインでの交流が始まる。スマホを持ち始め、LINEやらインスタなどのSNSをやる
- 行動範囲が広がる。学区が広く部活の遠征などもあり移動が増える
こんなに多くの環境の変化が中学1年生の入学後にやってくるわけです。新しい環境へ慣れようとしている間に最初の中間テストが始まってしまいます。
新しい人間関係や生活に余裕をもって取り組むため、勉強面での準備ができる。 これが中学受験をしなくても、小学生から塾に通う大きなメリットです。
小学生のうちから塾に通うメリット
科目ごとの勉強の仕方、とくに反復学習を教えてもらえる
非受験の小学生は、意外と「反復」の学習の仕方が身についていません。なぜなら、学校のテストは反復練習をしなくても解けてしまうからです。
しかし、中学まで見据えると算数なら計算、国語なら漢字、英語なら英単語はそれぞれ反復で練習をしておいて、教わらなくても自分でできるようにしておく必要があります。
英単語は「英会話で習っているから大丈夫」という声もありますが、「英会話」出身者は意外と単語が書けなかったり、文法の学習ができなかったりします。
「英検を持ってるから大丈夫」という声もありますが、小学生向けの英検対策のやり方は中学の学習内容とは完全にはリンクしません。
勉強系の習い事に週何回か行く習慣づけ。中学最初のテストで100点をとる
中学入学してから一気に部活も、塾も、学校もと始まるとかなり大変です。
「新しいところに通い始めた」とき、その場所で覚えるべきルールは細分化すると約200くらいあると言われています。
それらを1つ1つ覚えながら行くと、あっという間に気がついたら中間テストとなってしまいます。
小学校のうちから塾に通うことを日常にしておけば、新しく覚えることは「学校」と「部活」のことだけでよく、テスト勉強のことは慣れた環境で継続的にサポートを受けられるため、中学校の最初のテストでもスムーズに進められます。
こんな子にこそオススメです
中学受験はしなくても、以下に当てはまるお子様は小学生から塾に通うことでメリットがあります。
- 今はまだ学習習慣がない
- 計算や漢字が苦手
- 習い事が多くあり、中学に入っても続けたい(クラブチームなど)
- 周りの友達が受験するのでとても勉強しているが、自分だけでは自主的に勉強できない気がする
- 公立中学進学後は、都立高校に行きたい
- 勉強ができるようになりたい
小学生から塾に通った体験談
中学受験はせず、公立中学へ進学した方に小学生から通う塾についてインタビューをしてみました。
ハルネさん(小学6年生から通塾)
入塾のきっかけは?
小学6年生のときに入塾しました。
テストで80点以上が全然取れなくなって、危機感を感じたんです。
周りのクラスメイトと比べて、「あ、これはやばいな」と思って、自分からお母さんに頼み込みました。
自分からは「家から近いところがいい」という希望だけを出して、お母さんに色々な塾を探してもらいました。
コノ塾の体験受験を受けたときに、先生たちが質問しやすい雰囲気で、親しみやすくていいなと思って、入塾しました。
塾に入って、何か変化はありましたか?
勉強時間が増えて、テストの点数が上がりましたね。
入塾する前は、学校以外では一切勉強していなくて。
授業の内容すら忘れてしまっていて、テストの点数もボロボロでした。
でも定期的に勉強をするようになって、授業の内容もすんなりとわかるようになって、テストの点数も上がりました。
ハルネさんの詳細はコノ塾ブログからもお読みになれます。
カノンさん(小学4年生から通塾)
塾に入ったのは、いつですか?
小学4年生のときです。
ずっと水泳を習っていたんですが、バタフライまで泳げるようになったので、「もうここまででいいかな」と思ってやめたんです。そしたら、やることがなくなってしまって。
仲のいい友達が塾に通っていたので、なんとなく「塾に行きたい」と自分からお母さんに相談しました。
学校と塾は、どう使い分けていますか?
塾で予習をして、学校で復習をしています。
学校だと、進むのが早すぎる先生もいるので、「この先生、何言ってるんだろう…」と思ったら、あまり集中して聞いていないです(笑)。
先に塾で予習しているので、授業で理解できなくても、問題はつまずかずにほぼすべて解けています。
英語と数学は、塾の方が先に進むんですよね。だから塾で予習して、ある程度一度理解して、学校で忘れかけたものを再確認しています。
でも内申点を落とさないためにも、授業はちゃんと聞いています。「テストにここは出すよ」「ここは暗記しておくように」といった一言は、しっかり聞き逃さないようにしています。
正直、塾に通っていなかったら、学校の授業は何を言っているのか、全然わからないと思います。テストの点数もひどいことになっていたと思いますね。
中学1年生の成績は、「超大満足」
中学1年生、振り返ってどう思いますか?
超大満足です!
とくに学年末は、「これ以上は頑張れない」と思うぐらい勉強しました。
一番成績がよかったのは、夏休みに頑張ったおかげか、2学期の中間だったんです。3学期も頑張ったんですけど、若干落ちちゃったものもあって。でも学年末で挽回できたので、満足しています。
学年末のテストでは、社会の歴史がかなり伸びました。塾のテキストで、大事なところだけを覚えるようになったおかげだと思っています。
理科も苦手だったんですけど、計算方法とかを塾でちゃんと教えてもらって、点数も上がったので、満足しています。
塾に通い始めて、自分の中で変わったな、と思うことはありますか?
2月の学年末テストのときに、友達に「勉強教えて」って言われたんです。
もっと頭のいい人がバレー部に大量にいるので、自分は全然頭いいキャラではないと思っていたんですけど、その子からしたら頭いいのかもしれないと思うと、ちょっと変な感じだなと思いました。
カノンさんの詳細はコノ塾ブログからもお読みになれます。
コノ塾の小学生講座について
コノ塾では公立中学に進学し、都立高校を目指す方向けの個別指導塾です。小学生講座は月額13,200円(税込)からご提供しています。
コノ塾の小学生講座の特徴
- 公立中学進学の人向けの個別指導塾だから、中学受験をしなくても学力が高められる
- 高校受験のことをわかっている塾だから、中学進学後の高校受験に必要な勉強の仕方を習える
- 「反復」学習の仕方を身につけられる。漢字・計算は学年を遡って学習できる
- わからないことは、塾の先生に直ぐ教わることができる
- 中1年生の時点で「小学校で取得済み」扱いの英単語を小学生のうちに網羅できる
都立高校を視野に入れている方は、お近くの教室までお問い合わせください!
監修者 齋藤初美
新卒より大手進学塾である栄光ゼミナールにて勤務。 最難関クラスから基礎クラスの授業までの進路指導などを担当し、最難関クラスでは主に難関中学である麻布中学受験の担当者として、多くの合格者を輩出した小学生指導のエキスパート。現在は、コノ塾府中校教室長として小学生から中学生までを担当。