どの試験でも対策といえば…過去問!
しかも模試と違って、都立高校入試の過去問は無料で手に入ります!
※過去問6年分(2016年〜2021年)はこちらからダウンロード可能です。
しかし実は解く時期や順番を間違えてしまうと、とてももったいないことに!
逆にそれらを気を付けることで、志望校の選定や苦手分野の対策に大活躍します。
今回はなかなか難しい都立高校入試の過去問の活用方法について、詳しく解説していきます。
まとめ
- 過去問は12月下旬(冬休み)から
- 過去問を解く目的は、大きく4つ
- 目的①:本番の問題形式と回答方式を知る
- 目的②:時間配分を知る
- 目的③:合計点で合格ライン超えられるかを知る
- 目的④:弱点を知る
- 12月下旬より早く解いてしまうと、「まだ習っていないので解けない」になってしまう
- 過去問6年分、取り組む順番は?
- 今年は2021年度(昨年度)を11月末に
- 2020年度(2年前)を最後に
- 過去問の取り組み方(まとめ)
- 本番を意識して、タイマーを活用
- コノ塾の時間配分、正答率表を活用
過去問は12月下旬(冬休み)から!
過去問を解くのは、12月下旬(冬休み)からです!
「なんで11月からやっちゃダメなの?」と思うかもしれませんが、ダメなわけではわけではありません。
ただ、過去問を解く目的を考えると、12月下旬から解くのが一番良いのです。
過去問を解く目的は、大きく4つ
過去問を解く目的は、大きく4つあります。
- 目的①:本番の問題形式と回答方式を知る
- 目的②:時間配分を知る
- 目的③:合計点で合格ライン超えられるかを知る
- 目的④:弱点を知る
これらを説明した上で、なぜ12月下旬がおすすめなのかを説明します。
目的①:本番の問題形式と回答方式を知る
都立高校入試問題は、定期テストの問題とは大きく異なります。
たとえば英語。
定期テストでは単語の穴埋め、並べ替え、和訳などがありますよね。
しかし都立高校入試問題では、それらは一切出題されません。
それよりも長文読解の問題が多く、長文を理解できる能力とリスニング能力が求められます。
ただ「長文読解の問題が多い」とだけ言われても、どこをどう勉強したらいいのかわかりませんよね。
だからこそ過去問を解いてみて、「あ、こういう問題があるのね!」と理解してほしいのです。
ここでは英語と数学に重点を置き、過去問を通じて「知って欲しいこと」を列挙してみます。
<英語>
英語の入試問題は、定期テストと大きく異なり、長文がとても多いです。
そのため、英単語の理解力が求められます。
気づいて欲しい点:
- 構成(リスニング、英作文が主)
- 文章量がどのくらいか
- 単語がどの程度わかるか
- 記号で答える問題が多いこと
- 解答の選択肢も長い英文であること
<数学>
数学の入試問題は、出題の単元と順番と難易度が毎年ほぼ同じです。
つまり、毎年似たような難しさの似たような問題がほぼ同じ順番で出ます。
気づいて欲しい点:
- 案外簡単な計算問題も出る
- 大問内での難易度が全然違う(大問の最初の問題は簡単)
- 構成(証明、作図がある)
- 選択式の問題はほぼない
◎問題形式と回答方式を知るための解き方
ずばり、今からやる年度とは別の年度の答えを先に見てから解きましょう。
- 今からやる年度とは異なる年度の解答を見る(今から2021年度の問題を解くなら、2018年度の解答を見る)
- 回答方式(記号?単語記述?証明?作文?)と問題数を確認
- 真剣に取り組む!
- タイマーをかけて、何分かかるか測りながら取り組む。しかし、時間は気にせずに全力で解いてみる
※ 時間配分については、次の項目で練習方法を説明します!
目的②:時間配分を知る
コノ塾では、主科目(3科)の時間配分をブログ記事にて公表しています。
国語・数学・英語の時間配分については、以下のブログをご参照ください↓
- 【都立国語対策】直前に読んで10点UPも!?国語の時間配分と取り組む順番
- 【都立数学対策】過去問の正答率から見える数学の時間配分と必ず守りたい3つのルール
- 【都立英語対策】英語の時間配分と要注意問題5選(今からできる対処法つき!)
しかしこれらのブログを読む際、一度は過去問を解いていないと、おそらく全く理解できないと思います。
なので時間配分の練習は、過去問を1度解いてみた2回目以降をおすすめします。
<目的>
- 問題文を読むペース(正確さとスピードのバランス)を掴むこと
- 飛ばす問題を見極めること
- 問題を解く順番を決めておくこと
- →詳しくはブログ記事を参照
◎時間配分を知るための解き方
タイマーを活用して、時間配分を測りながら解きましょう。
- はじめは「カウントアップ方式」で解いてみる
- 慣れてきたら「カウントダウン方式」で解く
<カウントアップ方式>
- タイマーをカウントアップでかけてスタート
- 一通り解き終わったらタイマーをストップ
- ブログ記事と比較して、何分オーバーしたか見てみる
→目標時間以内を目指していく
<カウントダウン方式>
- タイマーで制限時間をかけてスタート(制限時間はブログ記事参照)
- 時間以内に解けなかった問題は飛ばす
- 制限時間が来たら終了
→解くべき問題を全問回答を目指していく
徐々に解ける問題・解けない問題を判断し、飛ばすべき問題は飛ばせるようになりましょう。
目的③:合計点で合格ラインを超えられるかを知る
志望校を受験すべきかどうか(出願するかどうか)を判断する際、模試と一緒に過去問を活用します。
過去問だけでは判断することは難しいです。
しかし、模試と一緒に活用することで合格可能性を測ることができます。
過去問を使って志望校に出願するかを判断する場合、
① 安定して「予想合格ライン−50点」以上を取れている場合
② 「予想合格ライン−50点」以下だったが、その後上り調子になり、最終的に「予想合格ライン−30点」以上を取れている場合
が、出願にGOサインを出す大きな目安となります。
①安定して「予想合格ライン−50点」以上を取れている場合
過去問を複数回(最低3回)取り組み、毎回予想合格ライン−50点を超える点数(−20点など)である場合は、志望校出願にGOサインを出します。
②「予想合格ライン−50点」以下だったが、その後上り調子になり、最終的に「予想合格ライン−30点」以上を取れている場合
初めてやってみた過去問では予想合格ライン−50点に届いていなかった。
しかしその後伸びていき、直近の過去問で予想合格ライン−30点を超えた場合。
この場合は、志望校出願にGOサインを出します。
ちなみになぜ予想合格ラインよりも-50点も低くても大丈夫なのかというと、
- 予想合格ラインは合格可能性60%の位置として算出されており、合格最低点ではないため
- 適切な対策をすれば受験本番まで学力は伸びるため
です。
◎志望校の予想合格ラインは?
予想合格ラインは、倍率なども加味した上で町田高校などについては、コノ塾のブログでも発表しています。
基本的にはVもぎの出している予測基準点を活用することをおすすめします。
ちなみに昨年度(2021年度)の予想合格ラインは、
- 町田高校:800(男子)、810(女子)
- 狛江高校:750(男子)、770(女子)
- 成瀬高校:680(男子)、700(女子)
でした。
なお、総合得点を計算する上での内申点の換算方法はこちら↓
【内申点×都立高校】都立町田・狛江・成瀬高校を目指す場合の内申点まとめ!
目的④:弱点を知る
過去問で間違えた問題を見ることで、自分の弱点を知ることができます。
そのためにも「解き直し」と「学び直し」が大事です。
※ 今回は概要をまとめます。「過去問を使った学び方」については、今後別のブログ記事で公開します。
◎解き直し
解き直しとは、
- 勘で答えた、または間違えた問題を
- 解説を確認した上で
- もう一度自力で解いてみること
です。
ゴールは、次に同じ問題が出たときに、適切に考えて(「答えの記号を覚えてる!」ではなく)自力で解けるようにすることです。
この「解き直し」のために、コノ塾ではオリジナルの都立高校入試過去問正答率表を作っています。
誰でも無料でダウンロード可能です。
解き直しの方法、解き直しに使う正答率表のダウンロードは、以下のブログをご参照ください↓
【6ヵ年分ダウンロード可能】都立高校入試過去問の2021年度入試範囲外の問題がわかる正答率表
◎学び直し
学び直しとは、正答率表を使って、取るべきだけど間違えた問題について
- どの単元
- どういう問題形式
なのかを知ることです。
学び直しに使う正答率表のダウンロードは、以下のブログをご参照ください↓
【6ヵ年分ダウンロード可能】都立高校入試過去問の2021年度入試範囲外の問題がわかる正答率表
例えば、
- 数学:大問1の平方根を使った計算を忘れていた。関数は大丈夫だけど、平面図形がよくわかっていない。
- 理科:水の電気分解と、電力と熱量の話は完全に忘れている。
- 社会:中世の日本はさぼってたこともあって、ほとんどわからなかった。
などの場合、この単元を学び直します。
過去問を使った学習方法については別記事でまた紹介させていただきます。
なんで12月下旬からなの?それは、4つの目的のため
過去問を解くのは12月下旬(冬休み)からという説明をしました。
- 目的①:本番の問題形式と回答方式を知る
- 目的②:時間配分を知る
- 目的③:合計点で合格ライン超えられるかを知る
- 目的④:弱点を知る
上記を達成するためには、本番と同じような条件・状態・状況で解くことが必須です。
しかし12月下旬より早く解いてしまうと、「まだ習っていないので解けない問題」が出てきてしまいます。
「まだ習っていないからわからない」では、上記の目的を達成することができません。
12月下旬以降であれば、過去問で出る範囲のほとんどは勉強済みになるので、
本番と同じような状態で過去問に取り組むことができ、上記の目的を達成することができます。
過去問6年分、取り組む順番は?
ずばり今年度は (11月中に)2021年度、2019年度、2018年度、2017年度、2016年度、2020年度の順番 で解きましょう。
2021年度の都立高校入試は新型コロナウイルスの影響で範囲が狭まっています(中1~2の内容が主)。
なので2021年度の過去問は11月に解き、「目的①:問題形式を知る」に活用します。
それからは12月末から週に1年分のペースで解きます。
志望校の選定にも関わるため、2月頭の都立高校の願書取り下げ・再提出までに終わらせます。
なぜ2月の入試直前ではないかというと、集中して毎日のように解いていると、体力を消耗してしまうからです。
1年分を解くのに、50分x5科目で5時間近くかかります。これを毎日やるのは精神的にも体力的にも厳しいです。
過去問の取り組み方
- 高校入試本番に近い形で準備をする
- 過去問(6年分ダウンロードはこちら)を用意する
- 問題冊子と解答用紙をできれば印刷して用意する
- 筆記用具も鉛筆と消しゴムなど本番に近いものを用意する
- 時間をメモするための紙を用意
- 科目は本番と同じ時間に解く
- 都立高校入試の本番の時間割通りの通りの時間で解く
(参照:東京都教育委員会『東京都立高等学校入学者選抜実施要綱』)
- 都立高校入試の本番の時間割通りの通りの時間で解く
- タイマーを用意する
- タイマーをかけてスタート
- 時間配分の通りにタイマーをセット
- タイマーがなったら、一旦終了
- 終わっていなかったら、印をつけて引き続き取り組み、終わらせる
- 何分オーバーするかを測ってメモする
- 答え合わせ
- 正答率表を使おう
- 予想合格ラインからの差分を計算
- 解き直しと学び直し(今後記事で紹介します)
まとめ
- 過去問は12月下旬(冬休み)から
- 過去問を解く目的は、大きく4つ
- 目的①:本番の問題形式と回答方式を知る
- 目的②:時間配分を知る
- 目的③:合計点で合格ライン超えられるかを知る
- 目的④:弱点を知る
- 12月下旬より早く解いてしまうと、「まだ習っていないので解けない」になってしまう
- 過去問6年分、取り組む順番は?
- 今年は2021年度(昨年度)を11月末に
- 2020年度(2年前)を最後に
- 過去問の取り組み方(まとめ)
- 本番を意識して、タイマーを活用
- コノ塾の時間配分、正答率表を活用
2021年度の過去問は特殊!うまく活用して得点UP+合格を目指そう!
過去問は基本的に無料で、気軽に手に入ります。
しかし手に入る回数が限られているため、うまく活用しないととてももったいないです。
しかも2021年度の過去問は特殊だからこそ、しっかり考えないと「過去問を無駄にしてしまった!」となってしまうこともあります。
今回紹介した方法で解いてみて、ぜひ過去問を最大限まで活用してください!